量的緩和は本当に有効か?
「土地や金融資産の取引高はGDP(=実物経済取引高)に含まれない!」
(こんなことも知らずに、最近経済学を勉強しています」といっていた自分が恥ずかしい。)
昨今ではいくら貨幣を発行して量的金融緩和をしても、マネーは資産市場に流れやすい。
量的緩和は、資産インフレは起こしても、一般物価のインフレや(名目)GDPの成長はそう簡単には実現できないという、疑念がよぎる。
リフレ派の方々には、この点について、確度の高い証拠を示しつつ答えていただきたいと思う。
量的緩和がGDP成長につながらないとする論客の中で定量的議論に強いのは水野和夫氏(管内閣の経済アドバイザー)。一方、リフレ派の中で定量的議論に強いのは高橋洋一氏(小泉内閣で竹中平蔵氏の知恵袋。)
この二人に直接バトルをやってほしい。おそらく原発問題よりも早く意見が収束すると思われる。
量的緩和の効果としては、リチャード・クーが指摘する、企業の「バランスシート不況」の解消が挙げられるだろう。企業の保有する金融資産や土地資産価格が下がると、利益が出ても負債の圧縮に当てられ、設備投資(実物)する余裕がなくなる。従って、量的金融緩和によって資産価格を上昇させれば設備投資が増えるだろう、というわけだ。(※)
しかしながら、水野和夫の指摘によると、日本企業が戦後から90年代までに銀行から受けた貸し出しの総額は、すでにキャッシュフローによる返済が不可能な水準に達していた(『100年デフレ』123頁)。これが本当だとすれば、これまでの量的緩和で企業のバランスシートが回復しきったのかどうか疑問がある。とすれば、あとどのくらい量的緩和を行えばよいのか、その金額には不確実性がかなりあることになる。
リフレ派には、量的緩和の具体的な額と継続年数を不確かさ付きで示してほしいところだ。
(お前は何様のつもりか、と言われてしまいそうだが)。
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