「持続可能なインフィル開発にとって重要な勝利」(Partnership for Sustainable Communities)
カリフォルニア州バークレー市の住民が、公共輸送機関ルート沿いに計画された98戸の高密度住宅開発の差し止めを訴えてきたが、このほど控訴裁判所は訴えを棄却する判決を下した。同市にはびこるNIMBYism(Not in my backyard,「俺の裏庭ではよしてくれ」主義)を乗り越えて環境にやさしい都市開発を進める、重要な転機になるかも[知れない]と伝えている。
バークレー市は「リベラル」(アメリカでは左寄りを意味する)な都市として知られており、環境問題に対する関心は一般に高い。一方、やはりリベラルな都市の特徴として、過去40年にわたって「合意の理想」(consensus ideal)を体現するプロセスによって、土地利用政策を実施してきたという。
ところがこれら合意づくりの場は、NIMBYismが幅を利かす場として機能してしまい、既成市街地を再開発して住宅を高密度に埋め込む(infill)計画が、周辺住民の反対によって阻まれてきた。公共輸送機関の便利な場所に高密度に開発を集める、環境にやさしい、つまりリベラルな施策が、住民合意を重視するリベラルなプロセスによって阻まれてきたわけである。
同記事は、強力な政治的リーダーシップの必要性を訴えて結んでいる。それはアメリカで今日意図される「リベラル」ではなく、古典的「リベラル」な民主主義の必要性を訴えているとも言える。
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以上、Shinji氏のホームページ 「サイクリングとデモクラシー」 , 2011.05.18 Wed., http://cycling.suizenji.boy.jp/?search=%B9%E7%B0%D5&submit=Search より引用。
Shinji氏の他の記事も秀逸ですので、ご覧になるのをお勧めします。
[]内は、筆者による捕捉。
なお、もとの英文記事は
http://www.p4sc.org/articles/all/important-victory-sustainable-infill-development
「公共輸送機関の便利な場所に高密度に開発を集める、環境にやさしい」というのは、輸送のエネルギーだけを見ている。
返信削除もともとの街並みが木造であったものを、コンクリート造りに変えたり、樹木や草の面積を減らしたり、地域の風通しが悪くなったりする場合は、ヒートアイランド現象が生じ、空調の負荷が増えることもありうる。正しくは、その地域の気候と微気候を調べてみる必要がある。
(NT)